最初、畠山は鈴音に
勝つことを意識させようと、
基礎点なんかの話を
細かく説明した。
「トリプルアクセルは成功すると、
8.20点と高得点だけど、
でもジャンプの完成度で、
3点~-4.2点とふり幅が大きい。
あなたのトリプルアクセルだと、
回転不足でダブルアクセルになりかねないわ。
さらに4.2点の減点。
さらに転倒すれば、さらに1点の減点」
鈴音は途中で頭が痛くなってきた。
算数は苦手だ。
スケートは楽しくすべるもので、
計算ですべるものなの?
「あなたのトリプルアクセルはまだまだよ。
そんな危険なジャンプをどうして跳ぶの。
3回転ジャンプなら、
基礎点の6点にさらに加点がもらえるわ」