「私、分かった気がする」
突然、ひなたが叫んだ。
沙希ちゃんはずっと
誰かのためを思って生きてきたのよ。
初詣でも自分のために
祈ったりしなかった……。
でも自分の足で歩きたいと思った時、
天使が魔法をかけたのよ。
沙希ちゃんが自分の力で歩けるようにって。
みんなにバラ撒いてた天使の羽は今、
沙希の背中で羽ばたいている。
だから私たちはそれぞれの能力をなくしたのだ。
でも沙希ちゃんは言ったわ。
鈴音の背中に翼が見えるって。
「そう、鈴音はそれを感じてないだけで、
鈴音の背中の翼はきっと消えてないのよ」