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フランツ・リストと言えば、クラシックを聴かない人でも


CMやBGMに使われて知ってるだろう。


一番分かりやすいのはフィギュアスケート。


鈴木明子は今年、ハンガリーラプソディを使用しているし、


去年、小塚崇彦はピアノ協奏曲第1番を使っていた。


そして浅田真央。


今年も「愛の夢」


リストはピアニストが必ず通る道だ。


当然、小説の中にも


リストの「愛の夢」がつかわれてるシーンがいくつかある。


そこからの抜粋。


ラヴェル以外、何か得意な曲はあるの?」

「クラシックじゃなきゃだめですか?」

「なんでもいいわよ」

「じゃあ」

と、舞琴は「いつか王子様が」を弾いた。

なんなの、このアドリブ。

でも悪くない。

でたらめに弾いてるようだけど、ちゃんとメロディになっている。

「ビルエバンスが好きなの?」

ディズニー映画「白雪姫」で知られるジャズのスタンダードナンバー。

「ビルエバンス?」

じゃないのか……。

「マイルスデービスの曲じゃないの?」

ピアノで聴いたわけじゃないんだ。

少なくとも「亡き王女のためのパヴァーヌ」よりは弾きこんでる。

だからと言ってうまいわけじゃない。

「ベートーベンの「熱情」は弾ける?」

「そんな難しい曲、弾いたこともないですよ」

「「愛の夢」は弾ける?」

「リストって、私の指を見てくださいよ」

舞琴は両手をいっぱい広げて見せた。

「こんな小さな手でリストは無理ですよ」

こんなレベルなのか。

「愛の夢」は難易度E。

このくらいの曲が弾けなくて、よく、この学校に入学できたものね。

「あなた、何を弾いてこの学校に入れたの?その曲を弾いてみて」

舞琴はピアノを弾き始めた。

ショパンの「舟歌」。難易度F。

難易度では「愛の夢」より難しい曲だ。

なんなの、この子。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」はあんなに下手なのに。

この難曲は下手だけど、ちゃんと弾けてるじゃないの。

「ムラがあるわね」

「ごめんなさい」

「いいわよ。あなたに才能がないことが分かったから」

思わず、そう言ってしまった。

憎しみのあまり、未来のある一人の生徒に。

ただの嫉妬だ。それは分かってる。

でもそう言わずにいられなかった。

「そうでしょ、先生。私もそう思うんですよね」

なんなの、この子。

「私、クラシックってむいてないと思うんですよね」



「愛の夢」はノクターン。


つまり夜想曲。


この曲を舞琴は好きである。


で、弾けるようになりたいと思ってる。


その理由をのちにマリーは気がつくのだが……。


マリーとは昨日出てきた鉄蔵の元フィアンセ。


舞琴は昨日出てきた海音の娘である。


つづく……。