恋するリバウンド 12 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず

失恋してリバウンドした乃亜。

「乃亜も早く新しい恋をしないとね」

「なんか上から。


自分が痩せてるからって、ココロ、ひどいー」

「はやく痩せろよな。太ってると、お前ブサイクだからさ」

「だから言ってるじゃない。あんたのために痩せないって」

「どうせ、俺はいつだって片思いさ」

うん?これって軽い告白?

ココロは少し気持ちがざわついた。

乃亜が隼人の気持ちにこたえたらどうしよう。

「あんた、鏡見たことあるの!ブサイクじゃん」

乃亜に罵られても、隼人はヘラヘラしてる。

ひどい女だ。

もう少し遠まわしに言えばいいのに。

やっぱ美人は得だ。

隼人の顔、あんなこと言われても笑ってる。

でもホッとしたのも確かだ。

ココロはそんな自分の中の気持ちの


ザワメキを確認するたびに、


隼人に対する恋する気持ちを確信していた。

「あんたがブサイクでよかった」

乃亜は本当に言葉を選ばない。

「かっこよかったら、恋をして、気まずくなって、


結局、親友にはなれなかったと思うから」

深い話だ……。

ココロは思った。

好きと告白して、気まずい関係になることは分かる。

好きでもない相手に急に告白されたら、


どうしていいか分からない。

結局、なんか避けてしまう。

そう、急によそよそしい関係になる。

だから告白は慎重にしないといけない。

もし、今、私が隼人に告白して、気まずくなるのは望まない。

私にとっても乃亜と同じように、


隼人はかけがえのない男友達だからだ。

「そうだ、ココロ、あんた


隼人のこと好きなんじゃなかったっけ?」

「バカ、何、言い出すのよ」

気まずくなるって。

でも、もしかしたら……。

これはこれでいいのかも……。

初めての告白。

恋の始まりの予感。

そう、これは恋愛の第一歩なのだ。

「マジで」

隼人の驚いた顔。

答えはどうなの?

ココロは心臓がバクバクした。

「ええー、俺にだって選ぶ権利があるんだけど」

バッサリ。

バッサリ切られた。

こんなブサイクにフラれてしまった。

「あんた鏡見たことあるの」

思わずココロは叫んだ。

「なんでこの私がこんなブサイクにフラれるわけ?」

あっ!気がついてしまった。

初めての失恋だ。

最悪、最低だ。

初めての失恋がこんなブサイクなんて、絶対に嫌!

「まさか、隼人がフルなんて……」

乃亜は意外そうな顔をしていた。

「隼人にココロはもったいないくらいなのに」

「だって、ブスじゃん」

隼人はココロをじっと見つめて、突き放すように言った。

「ブス」って言った。

私のこと「ブス」って言った。

ココロは隼人の口を思い切り手で締め上げた。

「どの口がそんなこと言ってんのよ」

隼人の口がゆがむ。

「あんたの方がブサイクじゃないの」

ココロは鏡を見ながら思った。

私ってブスなのか?

そんなはずはない。

何度も告白された。

2回だけだが……。

しかも同じ相手。

そう幼稚園の時だ。

私がふったんだ。

ふったことはあっても、フラれたのは初めてだ。

「ねえ、乃亜、やけ食いよ」

こうして、ココロのダイエット生活に終止符が打たれた。