タイトル 「天使の羽」 997「なんかあなたたち、嬉しそうね」 小春が言うと、父親の隆人は 渋い顔をして、席をはずした。「おとうさん、行っちゃった……」 みさきは笑いながら 父親の背中を見送った。「おねえさん、初めての親不孝だね」「そっか、親不孝だね、ほんと……」 言葉とは裏腹に みさきは含み笑いを 堪えきれずにいた。