タイトル 「天使の羽」 1033「それから二人の未来について話しましょう」「早いわ、話が」思わず鈴音は突っ込んだ。 鈴音は翔太の意外な面が見れて、楽しかった。確かにあがり症なのは知っている。 演技中も手や足が震えるのを何度も見ている。 でもそれ以上に今の翔太は緊張している。 その緊張が伝わってくる。 こっちがドキドキするわ。 鈴音の心臓がバクバク音をたてていた。「よろしくお願いします」 ひなたはうつむいたまま、そう言った。「こちらこそ」 翔太もひなたから目をそらしたまま答えた。