タイトル 「天使の羽」 1032「ごめんね、いきなり」 翔太は頭を下げた。「何、謝ってるのよ。早く告っちゃいなよ」「ごめんなさい」 翔太はまた頭を下げた。「いえ」 つられて、ひなたも頭を下げた。 また沈黙。「見てられない」 鈴音はため息をついた。「あの、今度、デートしてくれますか?」「今度じゃないでしょ」 鈴音が声を上げる。「今から食事に誘うんでしょ」 鈴音は翔太の落ち着きのない様子がおかしかった。「そう、今から食事しましょう」 翔太はやっと言葉をつむぎ出した。