タイトル 「天使の羽」 864 周りが急変する中で 沙希はいたって、マイペースだった。 ただ、少し変わったことがあった。 それは普通に歩けるようになると、 沙希の特殊な能力が 徐々におとろえていくのを、 沙希自身が感じていた。 気がつくと、他人の翼が見えなくなっていた。 それとともに鈴音や、ひなたからも 能力が消えていった。 天使の羽はしゃぼん玉のように、 空に舞い上がり、消えてしまった。 それはもう天使の力を借りずとも、 みんなが自身の足で歩けると、 神様が判断したからかもしれない。