タイトル 「天使の羽」 1038 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず


「私も恋してえー」

 鈴音はリンクを思い切り蹴った。

 軽く跳んだのに、


 4回転ジャンプが決まった。
 


 おおおおおおー。
 


 きまった!
 


 着氷の瞬間、ひなたの方へ振り返った。

「見た、見た」



興奮を抑えきれない鈴音の声だけが響いた。

鈴音がリンクを見渡すと、


すでに誰もいなくなっていた。
 

バカ、もう少しいてよ。
 

今年になって初めて跳べたのに……。
 

まあいいか、ひなたに彼氏ができたんだし。

 

 私は4回転ジャンプを跳べたし。


 天使が私に同情して、


 翼をくれたのかもしれないし。