タイトル 「天使の羽」 1011 ひなたがみさきに何度も同じことを聞く。「ねえ、ねえさん、須藤さんに連絡とりなよ」 みさきと顔を会わせるたびに、 家だろうが、病院だろうが、同じことを言う。 父はひなたがそう言うと、怒って 自分の部屋に閉じこもってしまう。 みさきはそんな父を見ると、心が揺らいだ。 両親の反対を押し切ってまで……。 どうしてもそう思ってしまう。 るいと結婚するとなると、 やはり足を踏み出せない。 みさきはひなたが少し煩わしく感じていた。