ひなたは急に真顔になった。
そして早口にまくし立てた。
「鈴音はまだ何も成し遂げてないんだよ。
スケートを今投げ出したら、
何もかもが中途半端になっちゃうよ」
「介護士に戻りたい」
「ダメだよ。
鈴音は、鈴音はねえー」
ひなたは泣きそうな顔になった。
「鈴音はね、私の夢なんだよ。
そして沙希ちゃんや、
それだけじゃない、
みんなの夢なんだからね」
「限界。これ以上続けたら壊れちゃうよ」
「本当にそれでいいの」
ひなたならやめればいいよって、
言ってくれると思ったのに。
「ひなたには分からないよ」