タイトル 「天使の羽」 948 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず

 

 その格好のまま、食卓へ行くと、小春がいた。

 

 小春は鈴音を見て、


「まあ、素敵。そんな格好するのね」と笑った。


「似合うわ」


 小春は食事中、誉め続けた。


「スケートの衣装も、


 そんな可愛らしい服の方が私は好きだわ」

 

 ひなたは母が人を誉めるのが珍しくて、


 一人笑っていた。



「スケートの服はコーチのお下がりだから」


「コーチのお下がりって、それはすごいビンテージね。


 コーチって東京オリンピック出てたんじゃないの」



「オリンピックには出てないみたいです」


「そう、じゃあ、私が見たのは


 スキーのジャンプだったのかしら」


「きっと、それ、長野か、札幌オリンピック。


 それに男子だし」



 ボケてるのか、知ったかぶりなのか、


 ひなたにも分からなかった。



 でもひなたはその日の母がとても好きだった。