と、るいが頭を下げた。
うん……?。誰に会釈したんだろう。
「うちの会社の常務だよ、あれ」
えっ?
「えええー」
みさきは思わず声を上げた。
「常務って……、
まさか、拓海の会社なの?」
「ああ、そうか、知らないんだ」
拓海は病院への感謝の証しとして、
立ち行かなくなった病院を支援し、
再生する会社を提案し、
その新会社の常務になったのだ。
なるほど、いきなり常務って、
系列会社の常務なんだ。
本社が不動産会社だから、問題ないわけだ。
もちろんブレインとして、
石渡ビルからはえぬきの社員が
社長と専務として、拓海を支援してる。
うまくいけば、拓海を
本社に管理職として戻す気かもしれない。
それなら会社の中での軋轢も少ないかもしれない。