翔太が出る次の試合までほとんど間がなかった。
翔太は今月末かあ……と思った。
オリンピックで確かに4回転ジャンプを跳んだ。
しかし転倒した。
自信があるかと訊かれれば、無い。
翔太は一瞬黙り込んだが、心をきめた。
「分かった、次のイタリアの世界選手権で
4回転ジャンプを跳ぶから」
その宣言に辺りからも声援が起こった。
「テレビで応援するね。だから約束だよ」
上目使いでお願いされると、翔太は断れない。
「うん、約束」
翔太は小指を差し出した。
沙希と翔太が小指でつながった。
すると二人の背中の翼が黄金色に輝いた。
翔太の羽が力強く羽ばたいた。
それは翔太の強い決意が
湧き出しているかのようだった。