タイトル 「天使の羽」 931 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず


「ねえ、ひなた、聞きたいことがあるんだ」


「何?」


「私の背中の翼、今日も羽ばたいてる」


 ひなたは少し口を歪めて、考え込んだ。


「大きな翼を広げてる?」


 鈴音はずっと気になっていることがあった。


 以前は背中に強く感じていた


 翼のようなものの感覚が、


 日々薄れていく気がしていたのだ。


 もし、あの4回転ジャンプをきめた日を


 その頂点だとすると、


 初詣の頃はまだ翼を感じられていた。


 鈴音には翼は目に見えなくても、感覚は残ってる。


 その翼の感覚を最近、


 まったく感じなくなっていたのだ。


 ここ1,2ヶ月のうちに


 まるで羽がすべて


 抜け落ちてしまったかのような


 感覚だけが、残っていた。