タイトル 「天使の羽」 940 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず


「でもね、私、見えるんだ、


 お兄ちゃんが4回転ジャンプを跳ぶ姿」

 

 沙希ちゃんが口にすると、


 それはまるで予言のように聞こえる。



周りのみんな、誰もが


次の世界選手権で翔太が


4回転ジャンプを跳べるような気がしてた。





「そしてもう一人、


 鈴ねえが4回転ジャンプを跳ぶ姿もね」


 沙希は鈴音の方を見た。




「えっ、私、世界選手権には出ないよ」



 鈴音のスケート競技は国内、国際通して、


 既にシーズンオフを迎えてる。



 公式試合は秋まで何もない。


「でも見えるんだ、


 だからきっと


 近い未来に鈴ねえは


 4回転ジャンプを跳ぶよ」




 そうかな……。


 鈴音は自信がなかった。



それは鈴音が今、絶不調だからだ。




「鈴ねえの翼、きれい。


 本当にきれいだよ」


沙希は鈴音に言った。