タイトル 「天使の羽」 791「でもね、少し小さいの」ひなたの言うことを信じるしかない。 きっとそうなんだろう。「そして、なんか、 少し輝きが足りない気がするの」 ひなたはポケットから、握った手を出し、 鈴音の目の前に差し出した。 そして、もう片方の手を添え、 両手を広げた。「見えてないかもしれないけど、 この手のひら、いっぱい、羽があるの」 鈴音には何も見えなかった。