昔のミステリーの短編小説のような味わいだった「聖者」 | キネマ画報

キネマ画報

名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


インドの世界的名匠サタジット・レイ監督が、ベンガルを代表するユーモア作家ラジシェコル・ボシュの短編小説を原作に映画化した1965年の作品です。

弁護士のグルパダ・ミトラは妻を亡くして以来、心の拠りどころを求める日々。そんなある日、彼は娘のブチキとともにバラナシから帰る途中で、不老の聖者ビリンチ・ババと出会う。かつてプラトンと議論し、アインシュタインに公式を教え、キリストやブッダとも親しかったと豪語するババにグルパダもすっかり魅了される。一方、ブチキの恋人ショットはババの言動に疑念を抱き、友人で哲学者のニバランダらとともにその正体を暴こうとし…


聖者がババだったので、昔話題になったサイババを思い出しました。

若者が信者になった弁護士の娘と結婚するために聖者のインチキを暴いて聖者を弁護士の家から追い出そうとする話で哲学者がインチキを暴くためにあることを実行するというお話でした。

あの時代にあんなあからさまなインチキ聖者を信じる人たちがいるのがなんか凄いですが、こういうお話をコメディとしてサタジット・レイが作っていたのが意外でした。

作品のバリエーションの幅がこんなに広かったとは。