
「そして、バトンは渡された」などで人の心の揺らぎを繊細かつ真摯なまなざしで描いてきた前田哲監督が2005年・第133回直木賞を受賞した朱川湊人の小説を映画化した作品です。
大阪の下町で暮らす加藤俊樹とフミ子の兄妹。兄俊樹は、亡き父との「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹フミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったのだが、フミ子のある秘密がよみがえり…
このタイトルにはまったく惹かれなくどうかなと思いつつ、手堅い作品作りが続く前田哲監督作品だから観ました。
泣きました。
やっぱり手堅い作りのウェルメイドな作品に仕上がっていました。
正直なところ、有村架純主演映画って、ほぼハズレだったので不安でしたが、これはどちらかというと鈴木亮平の主演作品だったのも良かったのかも。有村架純も鈴木亮平も関西人だし、オール阪神巨人やファーストサマーウイカという主要キャストが関西感を前面に押し出していますが、監督も原作者も大阪人なのになぜかノリが関西っぽくないのが不思議でした。
お客さんの大半がシルバー世代でみんなまんまと泣かされていたので仕上がりは大成功だと思います。