「イロイロ ぬくもりの記憶」で第66回カンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したシンガポールのアンソニー・チェンが監督・脚本を手がけた青春映画です。
友人の結婚式に出席するため冬の延吉にやって来たハオフォンは、上海へ戻るまでの暇つぶしに観光ツアーに参加しスマートフォンを紛失する。観光ガイドのナナはお詫びとしてハオフォンを夜の延吉に連れ出し、シャオも合流して飲み会で盛り上がる。翌朝、寝過ごしたハオフォンはフライトを逃し、シャオの提案により3人でバイクに乗って国境クルージングに出かけ…
「少年の君」「ソウルメイト」のチョウ・ドンユイが主演なので観ましたが、なかなか異色な青春映画で引き込まれました。
まず朝鮮族の結婚式から始まり、中国の国境の地域が舞台であることを印象付け、上海からやってきたハオフォンがスマホを失くしたことからツアーガイドのナナが彼をレストランで働く友人のシャオと引き合わせ、朝イチの飛行機を逃したハオフォンを地元観光に引っ張り出します。
スマホでは精神科クリニックからの電話がひっきりなしにかかって来ていたハオフォンもナナやシャオと遊んでいるうちに心を開き、ナナからハオフォンを誘ってHしたり、そのときに彼女が足に大きな傷あとがあることが明かされ、後に彼女が怪我でフィギュアスケートを諦めたりしていたり、レストランのシャオも外の世界を知らないことを気にしていたり、それぞれの心境が少しずつ明かされます。
後半、ハオフォンが天池に行きたいと言い出し、雪山の中を歩いて行ったり、急にサバイバルかと思う展開かと思いきや、山の伝説にも繋がるような不思議な体験をしたり、20万元の指名手配犯が絡んだり、予想外なことばかりでなかなか楽しい作品でした。