松本清張と野村芳太郎の霧プロ第1回作品だけど、なにか物足りなさを感じる「わるいやつら」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

原作者松本清張と野村芳太郎監督が共同で設立した独立製作会社、霧プロの記念すべき第1回作品となる1980年公開作品です。BS松竹東急で観ました。

 

女を手玉にとり、金を巻き上げては病院経営の赤字を埋め、頼まれて彼女たちの夫を巧妙に薬殺していた病院長。彼は美貌の新進デザイナーに目がくらみ、彼女をも手玉にとろうとするが、彼を上回る悪女たちに操られ犯罪の道をつき進むことになり…

 

遊び人の病院長役が片岡孝夫で当時はプレイボーイ役ばっかりやっていた印象です。

彼を取り巻く女性たちは松坂慶子、宮下順子、梶芽衣子、藤真利子、神埼愛といった顔ぶれ。まあみんな手練れの女優陣ですが、片岡孝夫にしろ、女優陣にしろ、なにか物足りなさを感じます。

終盤に緒形拳が登場する急に映画が締まった感じがしていいんですが、時すでに遅し。

主人公が場当たり的に悪事を重なるさまには感情移入しようがないし、ピカレスクロマンというほどにロマンはないしでなんかちょっと他の松本清張、野村芳太郎コンビ作品に比べると味気ない仕上がりでした。