これぞ志穂美悦子アクション映画の到達点といえる傑作だった「必殺女拳士」 | キネマ画報

キネマ画報

名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

「青い性(1975)」の小平裕監督が1976年に製作した志穂美悦子主演のアクション映画です。

 

犯罪都市ニューヨークの市警本部は警察官の護身術として空手を採用する。そして、沖縄空手を代表する桧垣一真と、東京剛武館総長の二階堂弘宣の二人の師範候補が上り、二階堂はこのポストを手に入れようと画策するが、市警本部は桧垣を強力に推す。劣勢になった二階堂は、李鉄根、アントニオ、白毛鬼の三人の殺し屋を雇い桧垣を殺そうと企むが、桧垣は、無駄な争いを避けるため二階堂を説得。しかし、二階堂は不意に桧垣に襲いかかり、桧垣の娘の目の前で、彼の腕を叩き斬り…

 

いきなり舞台がニューヨークでびっくりなオープニング。女の子を連れた沖縄空手の使い手千葉真一が東京剛武館の殺し屋たちが千葉真一を襲い、片目を潰されます。当時の東映アクションはなぜか目つぶしが多いです。

その後、沖縄空手の達人は娘を英才教育し、自分の後継者に育て、父が亡くなると娘は復讐に動き出します。

敵の組織には倉田保昭演じる謎のつわものがいて、彼もまたこれまでの女必殺拳シリーズと同じ役割を果たし、後半では志穂美悦子に加勢します。

中盤の志穂美と倉田の対決シーンは断崖からの飛び降りシーンなど戦うだけではないアクションの強烈な見せ場があります。

敵には四天王がいる展開もこれまでの女必殺拳にあった展開でこれまでの女必殺拳シリーズの要素をリミックスしたような内容をアメリカを舞台に(たぶんアメリカでのロケは一切なしに)展開します。

四天王には座頭市風の盲目の剣士がいたり、もはやエロなど入る隙もなく、千葉治郎も投入して、千葉真一門下総動員といった形でアクションを構築しています。

これで女必殺拳系の作品が打ち止めになったのはこの作品でやりきったからなのではと思える集大成的な作品でした。