女必殺拳シリーズ最終作品となってはいるけど、内容的にはこれまでの3作とは無関係な「女必殺五段拳」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

「殺人拳」シリーズの小沢茂弘監督が1976年に製作した志穂美悦子アクションシリーズ第4作です。

 

男性よりも武道に熱を上げる京都・西陣織物問屋の一人娘・中川菊。婿養子を迎えようと必死の父親は、知人の息子の麻薬取締官・高木修二に期待を寄せるが、菊本人は結婚に関心がなく道場に通う日々。その道場には、菊が実の娘のように可愛がる弟子のミッチーがいた。そんなある日、ミッチーの兄・ジムが、戦後最大と言われる国際麻薬密売の地下組織によって殺害され…

 

監督がこれまでの山口和彦から「殺人拳」シリーズの小沢茂弘に交代したせいか、これまで3作の紅竜を主人公にした作品とは全く別物の京都・西陣織物問屋の武道好きの一人娘・中川菊を主人公にした物語に変わっています。これまではさまざまな武道家とのバトルにつぐバトルだったのがその要素も全くなく映画撮影所を隠れ蓑にした麻薬密輸組織との戦いが展開します。

これまでの香港よりのテイストからなぜかアメリカンな要素を沢山含む方向性にシフトしていて、ミッチーとジムの兄妹とかアメリカ系のキャラクターもいます。

志穂美悦子の関西弁はイントネーションがけっこうちゃんとしているので安心感はありますが、やっぱりこれまでの女必殺拳にあったひたすらバトルとお色気という展開がなくなったのは残念でしかなくこれでシリーズが打ち止めになったのも納得です。