ドラマ性を排して家族間の無関心と断絶を描く南果歩主演作品「家族X」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

2008年ぴあフィルムフェスティバルで審査員特別賞を受賞した吉田光希監督の2010年製作の商業デビュー作です。

 

東京郊外の新興住宅地に暮らす主婦路子は、失業の危機にある夫と会話もなくなり、就職浪人の息子ともすれ違っていく。孤独に毎日食事を作る路子は次第にバランスを失い…

 

最初からうつ病じゃないのかと思うような南果歩が神経質に家事をする姿が描かれ、リストラ間際の夫とフリーターの息子との家庭内の断絶が淡々と描かれます。

観ている方はドラマが特に盛り上がらないので贅沢にフィルムで撮影しているなあとかの感想しか沸いてこず、あまりに映画として質素です。

さりげなく映り込むウォーターサーバーの水が毒々しくなっているカットはインパクトありました。

公開当時も今もほぼほぼ話題になっていない本作がAmazonプライムで突如配信されている不思議。