工場で働く主人公が登場する映画ではかならず職場でいじめが描かれるのはなぜなのか「鬼が笑う」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

兄・三野龍一が監督、弟・三野和比古が脚本を担当する映画制作ユニット「MINO Bros.」の2021年製作の長編第2作です。AMAZONプライムで観ました。

 

母と妹を父の暴力から守るため、父を殺した石川一馬は更生保護施設で暮らしながら社会復帰を目指すが、社会からは「人殺し」と非難され、生きる希望を失う。ある日、一馬は職場のスクラップ工場で、外国人労働者へのイジメに巻き込まれてしまい周囲が目を背ける中、中国人労働者の劉だけがイジメを止める。そんな劉の姿に目を覚まされた一馬は、自分の望む幸せを掴むべく立ち上がるが…

 

この作品は元父親殺しの主人公がスクラップ工場で勤務し、その理不尽な職場環境に苛立ち、また宗教に依存する母親に悩まされるお話です。

インディー映画ではなぜかこういう小さな工場で働く主人公が多く、ほぼほぼ職場でのイジメが描かれています。なのでこの作品を観たときにはまたかという気持ちが先立ち、母親の宗教依存にしてもどこかで観たような感じを受けて、なんだかなあという気持ちを超えるものがありませんでした。外国人就労者にの話にしてももっと掘り下げようはなかったのかと。

生真面目に社会問題に取り組んだ意欲作ではあるんだよなと思いつつ、映画的な魅力を感じることもできないまま時間が過ぎて行くばかりでもうひとひねりなんかなかったのかなという作品でした。