「コックと泥棒、その妻と愛人」のピーター・グリーナウェイが監督・脚本を手がけ、ウィリアム・シェイクスピア最後の戯曲「テンペスト」を原案に独創的な映像美で描いた1991年の作品です。
かつてミラノ大公だったプロスペローは、12年前にナポリ王アロンゾーと共謀した弟アントーニオに国を追放され、娘ミランダとともに絶海の孤島で暮らしている。アロンゾーへの復讐を忘れないプロスペローは、友人ゴンザーローから譲り受けた24冊の魔法の本を長い歳月をかけて読み解き、強大な力を手に入れ、島の怪物キャリバンや妖精エアリエルを操り、魔法の力で復讐を遂行し…
公開当時、渋谷のシネマライズで観て圧倒された作品でした。
久しぶりに観るのが怖くありましたが、心配は杞憂でした。
これは今観ても圧巻で重厚な映像絵巻であり、崇高なサー・ジョン・ギールグッドのシェイクスピア演技とグリーナウェイのイマジネーションが見事に融合していて、唯一無二な感動を生み出していました。
惜しむらくは名古屋では糞みたいな狭いシアターでの公開だということ。
これほどの作品をこんなひどい環境で上映する劇場の神経を疑います。