グロテスクでバイオレントでリリカルなホラーだった「毒娘」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

 

「ミスミソウ」の内藤瑛亮監督が2011年にインターネットの匿名掲示板で話題となった出来事をモチーフにオリジナル脚本で描き出すホラー作品です。

中古の一軒家に夫と娘と3人で引っ越してきた萩乃。ある日、外出中の萩乃のもとに、娘の萌花から助けを求める電話が。慌てて帰宅すると我が家は荒れ果てており、そこには洋服を切り裂かれた萌花に馬乗りになって大きなハサミを握りしめる見知らぬ少女の姿が。その少女「ちーちゃん」はかつてこの家に暮らしていたが、ある事件を起こして町を去ったはずだった…


都市伝説系のネタを元にしていますが、完全に内藤ワールド炸裂な作品でした。ただショックシーンを積み重ねありがちな展開に落ちることなく、大人たち、子どもたちの心情も厚く描かれ家族ドラマが根底にあることで後半の修羅場が盛り上がります。

ビジュアル的なこだわりも強く、手作り感溢れるガジェットも内藤監督らしさが全開です。

タイトルや都市伝説がモチーフという説明はこの作品を楽しむ上ではノイズになるかもしれない、オリジナリティしかない魅力的なホラーでした。期待通り。