「恋愛依存症の女」の木村聡志監督による恋愛群像劇です。
美容室で働くむっちゃんとグリコはなんでも話し合う仲。ある日、グリコに未練のある元恋人モーが美容室に現れ、グリコはシンガーソングライターのナカヤマシューコのライブで旧知のベンジーと再会し、同行していたむっちゃんはベンジーに一目ぼれする。むっちゃんはグリコとモーの協力を得てベンジーと恋仲になるべく奮闘するが…
中島歩演じるベンジーが相変わらずの最低な男で最高でした。グリコ役の筧美和子も彼女が主要キャストの作品って、外さない感じでこの二人が莉子と綱啓永のヘンテコな若いふたりを盛り立てていました。脚本が抜群に面白くニヤニヤが止まらないし、ときには爆笑も起きていました。描かれる恋模様は80年代のジョン・ヒューズ監督が脚本を手掛けた「恋しくて」や「プリティ・イン・ピンク」みたいで楽しい限り。ニックネームの遊びも笑えます。
これで映画的な映像的な見せ場や工夫があれば完璧なのに。映像なんておまけくらいに思える工夫のなさで映像が説明に終始しているだけなのが残念。
この監督が脚本を誰か腕のある監督に提供すればきっと大傑作になるはず。