「舟を編む」の石井裕也監督が実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにした辺見庸の同名小説を映画化した作品です。
元有名作家の堂島洋子は、重度障がい者施設で働きはじめる。そこで彼女は、作家志望の陽子や絵の好きな青年さとくんといった同僚たち、そしてベッドに横たわったまま動かない、きーちゃんと呼ばれる入所者と出会う。洋子は自分と生年月日が一緒のきーちゃんのことを他人だと思えず親身に接するが、その一方で他の職員による入所者へのひどい扱いや暴力を目の当たりに。そんな理不尽な状況に憤るさとくんは、正義感や使命感を徐々に増幅させ…
まだ記憶に新しいあの事件をモチーフにした小説の映画化作品で、主人公は犯人ではなく、事件の舞台となる施設で働き始めた小説家の女性で、彼女は重度の障害を持って生まれた子どもを亡くしていて、夫婦ともにその痛みをひきずっていきています。
そんな中、また妊娠し、高齢出産となるため、子どもに障害があるリスクが高く、産むかどうか悩みます。
さらに施設で入所者に対するひどい扱いを目の当たりにし、悩みます。彼女の先輩の青年は精神が蝕まれ、自分が心を持たないと判断した入所者の抹殺を心に決めます。
実際の事件をモチーフにしていますが、かっちりとドラマが組み立てられていて、主人公たちが対話をしまくることで理解はできるけど、作りごとめいて気持ちが入り込めなかったのが正直なところです。