まさかの昭和~平成にかけての物語でびっくりな「母性」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


「ノイズ」の廣木隆一監督が湊かなえのベストセラー小説を映画化したミステリードラマです。

女子高生が自宅の庭で死亡する事件が発生。発見したのは母で事故か自殺かは不明。母と娘は悲劇に至るまでの過去を回想するがその内容はしだいに食い違いを見せ…

予告では現代のお話風でしたが、実際には1980年から2000年くらいにかけてのお話でした。
なぜこの時代のお話なのか?原作者の湊かなえの年齢が永野芽郁演じる娘と年代が近いんだと思われます。
ネタバレ厳禁だけど、序盤からおかしなところだらけでお話が入ってきません。
なんとかミスリードさせようとする語り口が嫌でした。
予告では永野芽郁演じる女子高生が首吊り自殺して、その死に至るまでを母と娘の目線で描くものと思わされます。
しかし、本編では現在の永野芽郁は教師で死んだ女子高生はその学校の生徒で永野芽郁ではないことが開始早々にわかります。
つまり女子高生の死は戸田恵梨香と永野芽郁の母子と無関係なのです。
女子高生の死はミスリードのためのエサでしかありませんので深堀りもされません。
祖母役の高畑淳子の演技が強烈でW朝ドラヒロイン女優たちが完全に喰われていました。高畑淳子の猛女ぶりはあきらかにやり過ぎで笑いが起きてました。
高畑淳子の戸田恵梨香イビリがなかなかしんどいし、娘を愛せない戸田恵梨香も母に愛されたい永野芽郁の娘の姿も痛々しい限り。
ミステリーともドラマともつかない内容でどういう見方が正解なのか謎の映画でした。
同じ廣木監督作品の「あちらにいる鬼」もそうでしたが、描かれる時代の再現ぶりがちょっと残念。