「山猫」のルキノ・ヴィスコンティ監督の1974年の作品です。
ローマの豪邸に一人で暮らす老教授。その邸宅には18世紀イギリスで流行した家族の肖像が飾られていた。そこへブルモンティ夫人と愛人こんら、夫人息子と娘が転がり込み…
夫人のキャラがド派手で行動も強引過ぎて、コントみたいで楽しい作品でした。
愛人コンラッドがヘルムート・バーガーで屈折したイケメン役が激ハマリです。コンラッドもやることがハチャメチャなのに自分は間違ってないと強気なのが楽しいです。
シルヴァーナ・マンガーノ演じる夫人の愛人役ですが、コンラッドが夫人の息子と娘と3人で全裸で乱行パーティーしているシーンがあってびっくりでした。ヘルムート・バーガーのバーガーがまるだしの場面も劇場ではボカシなしですが、Amazonプライムではボカシが入っていました。
ヴィスコンティ映画にこんな露骨に性的なシーンがあるとは。
初見だと思って観ていたらコンラッドの最後の場面でずっと昔に観ていたことを思い出しました。
ヴィスコンティというと重厚で難しそうなイメージですが、笑える場面もありかなりとっつきやすい映画では。
老教授と迷惑な間借り人たちの変な人間関係が描かれるいびつでインパクトある今観ても面白い作品です。
教授が夫人たちをはじめは拒絶しながらも、徐々に受け入れ、やがて親身になっていきます。その秘密が「家族と思うようにした」と。世の中のいさかいはこの気持ちでお互いが接していけばなくなるのではと思いました。