谷崎潤一郎の名作を AVのNTRモノ風にアレンジした超低予算映画な「鍵」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


「卍」と並ぶ谷崎潤一郎の代表作を「40万分の1」の井上博貴監督が現代を舞台に映画化した作品です。

大学教授の神田は年の離れた妻の郁子を性的に満足させられないことに悩んでいた。ある日、神田は義理妹の敏子に紹介した教え子の大学院生の木村に郁子が色目を使っているのを目の当たりにし…

二つ不満があります。こういうエロVシネ的作品はヒロインが初脱ぎであるのがだいたい定番ですが、この作品はだいたいの作品で脱ぎ要員で頑張ってきた桝田幸希(間宮夕貴、最上ゆき)さんだったこと。ちなみに私は彼女のファンですが、この役は違う気がしました。彼女は過去作品「甘い鞭」「ちょっとかわいいアイアンメイデン」「屋根裏の散歩者」みたいに単独より、複数ヒロイン作品で映える女優だと思います。
そして、谷崎の名作である原作の見せ場であるお風呂のシーンを残念過ぎる場面にしたこと。あの名場面をあんな感じで映像化するところに原作に対するリスペクトを感じません。
まあの物語をNTRものと解釈し、日記をtweetにアレンジしたアイデア自体はそんなに悪くなかったと思います。
でもその結果、出来上がりはAVでさんざん擦られた話を一般俳優が演じ、一軒家限定の空間で安上がりに映像化されただけでした。
ドラマで見せるなら中途半端な絡みなんかいらないし、エロで見せるならちゃんとエロと向き合うべき。