鶴谷香央理の漫画を「青くて痛くて脆い」の狩山俊輔監督が映画化した作品です。
毎晩こっそりBL漫画を楽しむ17歳のうららと夫に先立たれ孤独に暮らす雪。ある日、うららがバイトしている書店に来た雪は美しい表紙にひかれてBL漫画を手に取る。初めて知る世界に魅力された雪はBL漫画を通じて交流するようになり…
芦田愛菜演じるBL好き書店員と書道の先生をしている一人暮らしのおばあちゃんの宮本信子がBLを通じて交流していくお話で、まさかのコミケ参戦まで展開して、さらにその先も描かれ、何度も泣かされる作品でした。
芦田愛菜演じる女子高生は母子家庭で本屋でバイトして、恋愛することもなくささやかな喜びがBL漫画を読むことというパッとしない感じをリアルに演じ、対する宮本信子はBLで新しい世界が開けてキラキラしてくるおばあちゃんを見事に演じきります。
岡田恵和の脚本の見事さもありますが、やはり二人の主演女優の演技に目を奪われます。
キワモノっぽい題材をしっかり人間ドラマに落とし込むのは二人の共演あればこそです。
宮本信子さんは昭和の終わりから平成初期にかけて夫の伊丹十三監督作品でヒット作品の主演を張り続けていただけのことがある素晴らしい主演女優ぶりでした。
これが日テレ映画として作られたことが意外。