今観ても衝撃的でビョークの命を削るような歌声と演技に震える「ダンサー・イン・ザ・ダーク」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


「奇跡の海」のラース・フォン・トリアー監督がアイスランドの歌手ビョークを主演に起用した2000年製作のミュージカル作品です。
4Kデジタルリマスター版でのリバイバル上映で観ました。

アメリカの片田舎。チェコ移民のセルマは息子ジーンと二人暮らし。しかし、彼女は遺伝性の視力を失う病を背負って生きていた。手術を受けないと息子ジーンも視力を失うことになり…

ロードショー公開時以来、21年ぶりの映画館での観賞でしたか、相変わらず心を揺さぶり続けられる傑作でした。
思っていた以上に「サウンド・オブ・ミュージック」など往年のミュージカルへのリスペクトなどありながら、獄中でビョークが歌う「私のお気に入り」はまるで別の意味を持つ曲になっていました。
ロビー・ミューラーの撮影もただ美しい物でなく、リアルと幻想をつなぐ素晴らしい仕事です。
ビョークによる音楽はセルマが現実逃避するときに見るミュージカルの妄想への橋渡しに現実音のサンプリングを導入に活かしこれまた絶妙に効果的です。
この導入のおかげで堂々たるミュージカルシーンに没入出来ます。
また純粋にビョークの歌声がいちいち刺さりまくり、ラストまで心が締めつけられました。
滅多にない劇場公開なので絶対に劇場で観るべきです。