結構重要な川口春奈の夫役薬丸翔って誰?と思ったらヤックンと石川秀美の長男だった「聖地X」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


「シュシュシュの娘」の入江悠監督がオール韓国ロケで製作した劇団イキウメの同名舞台の映画化作品です。

夫との生活に嫌気がさした要は日本を飛び出し、兄輝夫が暮らす韓国の別荘を訪れる。突然の来訪に驚く輝夫は要の夫滋のだらしなさを聞き、彼女の傷が癒えるまで一緒に過ごすことにするが、ある創作和食店に日本にいるはずの滋が現れ…

入江監督がイキウメ作品を映画化するのは2016年の「太陽」についで2作目です。イキウメ映画化作品は黒沢清監督の「散歩する侵略者」もあります。
オール韓国ロケとか今年、石井裕也監督の「アジアの天使」とかもありました。
あれも変な作品でしたがこれはその遥かに上を行く怪作でした。イキウメ作品は基本SFホラー的なジャンルなんだなと理解しました。
ざっくり言うと前半ひなんかつげ義春の「ゲンセンカン主人」みたいたなとか思っていたら、後半はタルコフスキーの「惑星ソラリス」だったみたいな感じです。
岡田将生って、普通にヒットしそうなラブコメとか泣かせるドラマよりこういうホラーよりの作品に出演しがちで、演技もだんだんフラットな状態がなくなってきて、基本ヤバいヤツになりつつあります。
今回も序盤、中盤、後半で演技に統一感がないけど、あまりに変な内容だから違和感なしというミラクルも。でも結果、かなり楽しめました。
SF、ホラー、ファンタジーに詳しい作家志望の男が開店前の創作和食店で起こる怪現象を楽しそうに推理しています。
思ったことが現実になる場所って、ポジティブに考えたら凄くいい場所と思えますが、登場人物たちはネガティブにしかとらえないのがもったいないです。とはいえドッペルゲンガー同士が出会った場面の奇妙さとか楽しい限り。
川口春奈の「シュシュシュの娘」同様朝から庭でへんなダンス踊らせられていたり、変さを受け入れていてハマっていました。
ドッペルゲンガーが出てきて、一人3役することになる滋役の薬丸翔がヤックンと石川秀美の長男だと知りびっくり。
こんなに面白いのにお客さんがいないのは内容が明らかにシネコン向けじゃないからだろうと思います。