ここから5作連続でシリーズを監督することになるジョン・グレンによる1981年製作のシリーズ12作目です。
ギリシャ沖でミサイル誘導装置を積載している英監視船が遭難する。引き上げ作業にあたっていた海洋学考古学者が何者かに殺され、ボンドに出動の命が下り…
「女王陛下の007」で結婚した亡き妻テレサの墓参りから始まります。そこからヘリに乗り、何者か、ネコを撫でているブロフェルド風のハゲにヘリを操られるもハゲを車椅子ごと始末。このアクションはスペクターとブロフェルドを契約の都合で使えなくなったことに対する皮肉なのかも。
ボンドカーにはロータスエスプリが再登場。白いのが早々に爆発し、カーチェイスはボンドガールのシトロエンで宮崎駿のルパン三世みたいに山道で大冒険風になります。その後、赤いのが新たに登場します。敵の8角メガネ男はラピュタのムスカみたいだったりも。
そして、イタリアの雪山。ウインタースポーツてんこ盛りでフィギュアスケート少女がボンドに首ったけになったり、ボンドがスキージャンプしたり、ボブスレーのコースをスキーで滑走してバイクから逃げたり、ギリシャの海で潜水艇アクションしたり、ボートにロープで縛られ引きずり回されたり、かなりのアクションがあります。
終盤は断崖をクライミングするボンドも。
しかし、どの場面も過去にあったアクションのリニューアル的なセルフリメイク的な苦しさを感じます。
豪華なセットとキャラクターの立った敵が不在の本作はシリーズを通して観てきた人にはちょっと物足りない作品だと思います。