80年代後半のB級SFホラーと東映ヒーロー物が融合したような怪作だった「サイコ・ゴアマン」 | キネマ画報

キネマ画報

名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


「マンボーグ」のスティーブ・コスタンスキ監督の新作SFスプラッターアドベンチャー作品です。

庭で遊んでいた8歳のミミと10歳のルークの兄妹は太古より埋められていた残虐宇宙人を蘇らせてしまう。ミミが光る謎の宝石を手にしたことで残虐宇宙人はミミに従わざるえなくなり…

まさかの少女が主役SFホラーコメディでした。デザインセンスとか物語の子どもっぽさとか80年代後半の東映ヒーロー物のクオリティで、着ぐるみキャラの一人が日本語を話すのも東映ヒーロー物へのリスペクトな気がします。(日本語の声優は黒沢あすか!)
けっこう毒のある内容でグロい場面も多いですが、嫌悪感のない見せ方でしっかり笑わせてくれるところにこの監督のセンスと力量を感じます。
ミミが相当にイカれていて、サイ・コゴアマンが宝石の力で逆らえないとわかると舎弟みたいにしてひたすら下らないことに付き合わせて、終盤宇宙からサイコ・ゴアマン退治に来た宇宙の英雄をサイコ・ゴアマンと迎え撃つというとんでもない展開の中にダメ人間なお父さんとかしっかり描かれていて、最終的にサイコ・ゴアマンに愛とは何かを教えるという奇跡みたいな展開は滅茶苦茶楽しめました。
リテラシーとかコンプライアンスとか世の中的な正しさより映画に必要なのは愛なのだと実感。