「エル・トポ」のアレハンドロ・ホドロフスキー監督が自らの映像表現を解き明かす集大成的な作品です。
ドイツの精神分析学者エーリッヒ・フロムと精神分析を学んだホドロフスキーは自身が考案した心理療法サイコマジックをアートとしてのアプローチから生まれたセラピーと語る。ホドロフスキーのもとに10組の相談者がやってきて、サイコマジックを体験していくが…
言葉ではなく行動で治癒するアートとしてのセラピーというサイコマジックの実演がこれでもかと詰め込まれていました。序盤は親との関係が悪い人をやたら全裸にして生まれ直しみたいなパターンが多かったりしますが、婚約者のスカイダイバーに飛び降り自殺された女性にスカイダイビングさせたり、吃音に悩むおっさんには12歳の少年になりきらせて、遊園地で遊ばせたあとに全身金色に塗られて街を歩かされたりバラエティー番組臭さがなかなかすごくて、後半はサイコマジックのイベントや集会の映像が出てきてホドロフスキーが教祖さま状態でした。
サイコマジック自体をどうしても信じられませんが見せ物としては楽しい作品になっていました。