「バッド・ルーテナント」で知られるアベル・フェラーラ監督の初期作品です。
売れない画家リノが新作の大作を製作する中、大家からの家賃の催促やパンクバンドが新たな住人になり四六時中演奏して煩かったり様々なストレスに振り回された彼は夜な夜なホームレスに話しかけに行き、やがつドリルを片手にホームレス殺人を繰り返していく。
スラッシャーホラーと思って観ましたが、わりと冒頭からパンクバンドのザ・ルースターズのライブシーンが挿入され、ホームレスの日常とライブシーンと絵描きのストレスが繰り返し描かれ、リノがドリラーキラーになるのは物語も後半に入ってからでした。
主人公のアーティストとしての世界とパンクバンドのライブ(ほぼ練習)が描かれ、あと百合なシャワーシーンとかのサービスもあるわりにホラー描写があんまり出てこない異色作でした。とはいえ、ウサギの肉を切り刻む場面が執拗に描かれてもいるのでグロ注意です。
エンドロールでは別の名前になっていましたがリノ役がアベル・フェラーラ自身なのが全編彼の趣味爆発な理由な気がします。
でもこのいびつさは嫌いじゃないです。
アベル・フェラーラは2014年に「パゾリーニ」を監督しているのに日本未公開なのが残念。
