「21世紀の女の子」にも監督として参加している井樫彩監督の2018年製作の長編作品です。
田舎の病院に入院した14歳の陽は優しい看護師の弥生に特別な感情を持つが退院の日に弥生が病院を辞めていたことを知る。
1年後、二人は街中で偶然再会する。弥生は男たちに身体を売って生計をたてており、過去の面影がすっかりなくなっていて…
5年前の作品で、「リミット・オブ・スリーピングビューティー」の主演や「娼年」の身体を張った演技で注目された桜井ユキさんが売れかけの頃の出演作品です。
この作品は陽役の小松未来さんとのW主演作品で、小松さんは当時15歳で、そんな彼女との複雑な関係を演じています。
桜井さんは自ら演じる弥生の見せ場もあるし、陽の演技を受ける助演的な場面もあり、この作品を見れば彼女が主演でも助演でもどちらもいけることがわかります。
また助演している同じように毎熊克哉も主演も助演でも引っ張りだこになりつつある時期の出演作品で、そんな毎熊さんの活躍もまた桜井さんに刺激を与えたかも。
伊樫監督の演出はそんな演技を引き出してはいるものの、肝心なところを見せない演出を貫き映画としてはパンチに欠けているのが残念。それは新作「あの娘は知らない」でも変わってなくて、そろそろ突き抜けて欲しいなと思うばかりです。