「狂い咲きサンダーロード」ファンもきっと気に入る白バイ暴走ロードムービー「オン・ザ・ロード」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

{C6208E9A-BE74-48DA-985F-9D6D3FB946A0}「相棒」シリーズなどで知られる和泉聖治監督の1982年の一般映画デビュー作品です。
刈谷日劇で「熱海殺人事件」と二本立て800円で観ました。しかもフィルム上映です。
白バイ警官の富島哲郎は暴走車の追跡中にスクーターを引っかける事故を起こす。
数ヶ月後、彼は怪我をさせたファッションモデルの比嘉礼子がモデルとして再起不能になっていることを知る。
改めて謝罪に行くと彼女は姉の運転する車で故郷の沖縄へ向かっている途中だった。
富島は白バイで彼女の乗った姉の車を追いかけ東京から西へ日本を縦断し…

前半はツッコミどころ満載だなとか思って観ていましたが、途中から本気で楽しんでいる自分がいました。
自分が傷つけてしまった女性を追いかけていくうち、自分でもどうしたいのかわからなくなり、警察に追われそれを突破することが目的化していき、事件が表面化すると九州の暴走少年たちのヒーローになっていく感じがいいです。
中でも警察無線を盗聴していて事件のことをいち早く知ったガソリンスタンドのバイク好きのあんちゃんが自作バイクで暴走して主人公を援護するくだりが最高です。
何が最高ってそのあんちゃんが「狂い咲きサンダーロード」の仁さんこと山田辰夫だということ。絶対にキャスティングした人は「狂い咲きサンダーロード」のファンと言い切れるくらいのはまり役でした。
元ピンク映画の監督らしくヒロイン藤島くみには唐突な入浴シーンでのヌード、姉役の秋川リサはあってもなくても問題ない回想シーンでの濡れ場がありエロサービスが効いてます。
終盤の展開はなんか「ランボー」の1作目みたいな感じなのも好きです。
現在「相棒」の監督として知られる和泉監督が一般映画デビューから型破りな警察官を主人公にしていたことが妙にしっくりきました。
フィルム上映で観れたことも最高だし、アフレコなのも味がありました。
こういう名画座があることが本当に嬉しいです。