ダイアン・クルーガーがカンヌで女優賞を獲った作品です。
ハンブルグでトルコ移民のヌーリと息子と幸せに暮らしていたカティヤだったが、夫の勤務先の前での爆発事件が起こり夫と息子を一度に失ってしまう。
失意のカーチャは自殺しようとするが犯人逮捕を聞き思いとどまる。
犯人は人種差別主義者のドイツ人だった。
しかし、裁判は…
去年のカンヌの受賞作は「BPM」と言い「ラブレス」と言い、これと言い気が滅入る暗い内容のものばかりでびっくり。
カンヌは毎年審査する人が違うので年によって受賞作の傾向が違い過ぎてカンヌ受賞作という肩書きがいい作品の保証とはなりません。
去年の中ではグランプリ作品よりこっちの方がまた自分の好みに合う作品でした。
ヒロインの亡くなった夫か元麻薬の売人だったり、ヒロインが辛くて麻薬に手を出したりしたせいで裁判は不利になります。
ヒロインはタトゥーだらけだったりで思い切り不幸なのに強そうです。
真っ白じゃない被害者遺族の物語はちょっと新鮮かも。
前評判で復讐劇だと知っているので裁判の結果は予想出来ます。
それ故に弁護人の発言がいちいち胸くそ悪いです。
何も証言しない犯人より弁護人をぶちのめしたくなります。
でもそのストレスが復讐への燃料になるので我慢出来ます。
裁判のあと、犯人の仲間がいる某国へ行ってからは復讐待ちみたいになり、あとはどう復讐するのかに注目するだけです。
タイトルの二度決断するの意味がラストで明らかになります。
「ミスミソウ」もこれも家族を殺された女の復讐劇ですが復讐する側も無傷で終われないことがよくわかる二本でした。