ついに伝説を映画館で観た!かわいくて切ない80年代が詰まっていた!「星くず兄弟の伝説」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

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現在公開中の続編「星くず兄弟の新たな伝説」のオリジナル版である「星くず兄弟の伝説」が35ミリフィルム上映ということで「新たな伝説」と続けて観ることにしました。
今から33年前に公開された手塚眞監督の商業デビュー作品です。
今は亡き戸川京子がヒロインのマリモ役で出演しています。

クラブ魚の目のステージに立ったカンとシンゴのスターダスト・ブラザーズは客の前で2年前のことを回想する。
ロックバンド、ロンドンブーツのカンとスーパーカーズのシンゴはライバル関係だったがアトミックプロのアトミック南にスカウトされ、スターダスト・ブラザーズとしてデビューする。
アトミックプロの前で出会った歌手志望の女の子マリモは彼らのファン代表になり、やがて歌手デビューし人気アイドルになるが、人気にあぐらをかいたスターダスト・ブラザーズは失墜。
彼らに代わり大物政治家の息子の虹カヲルがアトミックプロのスターになっていた。
虹カヲルはスキャンダルで話題作りしようとマリモを対談取材だとホテルへ呼び出し襲おうとしていた…

80年代の空気がそのまま閉じ込められた甘酸っぱい映画でした。
頭からライブシーンがたくさんあり「爆裂都市」並みバンドブーム前の日本のロックシーンを残したライブ映画でした。
とにかく可愛い映画だし楽しいだけなのが最高です。
当時の文化人もいっぱいカメオ出演していてなかなかぜいたくなキャストでした。
高田文夫とかラッキィ池田がどっちにもカメオ出演してたりします。
「ファントム・オブ・パラダイス」を目指したアルバムが原点ですが、完全にオリジナルな世界観のロックミュージカルでした。
ヴィジュアリストでMV監督もする手塚監督なのでどちらのライブシーンも時代の空気を活かしつつポップだったり、激しかったり飽きさせません。
尖ってるし可愛いいしまさに当時の宝島読者がみんな好きそうな映画でした。
「新たな伝説」にも出演しているISSAYが全然違う役でびっくり。でも最後の役割が2作踏襲されていて違う役だった意味がわかりました。
サンプラザ中野くんだけはどちらも同じ衣装で笑えました。
アトミック南の尾崎紀世彦さんとマリモ役の戸川京子さんが「新たな伝説」にいないのが寂しくもあります。
でも2本続けて観ると多幸感に包まれます。
1作目のラストはある意味続けようのない終わり方でしたが2作目のいい意味での出鱈目さがそんなことどうでもよくします。
「新たな伝説」の荒川ちかのライブシーンでマリモを思い出して泣きました。
手塚眞監督はもっとこの路線の映画を量産してくれないもんだろうか?