麻雀も原作もアニメも知らないけど最高に面白い「咲 阿知賀編 episode of side-A」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

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昨年公開した劇場版「咲」に続く劇場版第2弾です。
舞台は長野から奈良に移り、ヒロインは浜辺美波の咲から桜田ひよりの穏乃にバトンタッチ。
個人的な今回の楽しみは「散歩する侵略者」でのアクションが素晴らしかった恒松祐里さんです。

奈良の阿知賀女子学院の高鴨穏乃は長野の清澄高校の主力選手原村和との子供の頃の約束を果たすため、廃部していた女子麻雀部を復活させる。
奈良県大会を突破した阿智賀はインターハイ団体部門への出場を決める。
ここまでがドラマ版のストーリーです。
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全国大会に進出した阿智賀はあぶなげなく準決勝に勝ち進む。
準決勝の対戦校は大阪の千里山、福岡の新道寺、東京の白糸台。
白糸台の先鋒には個人戦チャンピオンの宮永照がいて一人勝ちしまくる。阿智賀の玄はドラを集めてしまうクセが見透かされ上がれず。しかし、その裏をかいて最後には照に一矢報いる。
次鋒、中堅、副将戦で順位を上げる阿智賀は大将戦に穏乃を送り込むが、白糸台の大星が立ちはだかる。

この映画はすごいことに男性キャラクターが登場しません。
前作は県大会をじっくり見せていましたが今回は準決勝までをあっさり描き準決勝の先鋒戦がクライマックス並みの盛り上がりを見せます。
阿智賀の玄は恒松祐里で千里山の円城寺はチームしゃちほこの咲良奈緒、新道寺の花田は「ニンニンジャー」矢野優花、そして白糸台の宮永照は前作で清澄の咲を演じた浜辺美波。
登場人物ほぼ全員に見せ場があり、漫画のファン、演者のファン共に満足度の高いクオリティでした。
千里山の円城寺は未来を幻視するし、新道寺の花田は超ポジティブで「すばら」が口癖、白糸台の宮永照は超クール。
そんな強烈なキャラクターが揃うなか恒松さんはそのリアクターとして仕事し最終局で涙しながら打ちます。
麻雀をひたすら打つだけの映画ですが、その途中にいろんな回想やイメージが挿入されまったく飽きさせません。
アイドル歌手、グラビアアイドルを本業とする女優たちが拙い演技であっても物語に夢中させられるのはキャラクターの演出がきっちりはまっているせいだと思います。
恒松さんは強烈なキャラクターに囲まれた中で普通の人を通すことで物語の地べたを支えます。
麻雀の一手のダメージや衝撃を表すイメージ演出ですごかったのは決勝戦で白糸台の大星が雀卓を宇宙にしてしまう場面。
漫画ならではの描写を違和感なく実写に落として込む演出が次々と繰り出されて前作をしのぐ迫力を見せます。
麻雀のルールも原作もアニメも観ていない自分でも終始ドキドキワクワクしながら物語に引き込まれました。
この映画ではまだ全国大会の半分のブロックの準決勝しか描いていません。
次回作はどうなるのか?
もう半分のブロックをドラマで決勝を映画にするのか?
清澄が決勝に来た場合、宮永姉妹を一人二役している浜辺美波はどうなるのか?
次回作が大いに気になります。