
2年前にもアシュトン・カッチャー主演ジョシュア・マイケル・スターン監督版の「スティーブ・ジョブズ」がありましたが、今回はマイケル・ファスベンダー主演でダニー・ボイル監督、アーロン・ソーキン脚本というオスカーノミネート常連チームで製作されています。
1984年、ジョブズはマッキントッシュの発表会を前に苛立っていた。
コンピューターは恐いものじゃないことをアピールするため、デザインも笑っている顔のようにしたのに、肝心のハローという挨拶が出来ない。
彼の親友で優秀なプログラマーのウォズはマシンの欠陥を指摘してくるし、認知を拒んだ娘を連れて元妻もやってきて文句を言う。
マッキントッシュは失敗し、ジョブズは自分がアップル社に呼んだCEOのスカリーに解雇される。ジョブズは新たな会社NEXTを立ち上げ、大学の教育用にマシンを開発中だが、OSもないまま発表会を迎える。
アップルから自分を追い出した連中や娘も発表会にやってくるが…
発表会から1年以上経ちNEXTは販売されたがまたしても不発。
しかし、彼の目論見通りアップルがNEXTとともにジョブズを買収し、ジョブズはアップルに復帰へ。
画期的なコンピューターiMACの発表を前にウォズとまた口論になったり、娘とのわだかまりを抱えたまま発表会の時間は近づき…
アシュトン・カッチャー主演版は普通に時系列でジョブズの人生を描いていましたが、なんとこの作品では3つの発表会の準備中しか描きません。
ジョブズと発表会にかかわる人たちとのやりとりの中で彼の人となりを見せ、フラッシュバックで彼の失敗を見せたりしていきます。
最初のマッキントッシュの発表会ではジョブズの自分本位さを見せ、NEXTではデタラメやっているようでそれがアップル復帰への賭けだったことを見せ、iMAC発表会では彼の人間的な部分を見せます。
そのまま舞台劇に出来そうな構成です。
自分はジョブズとウォズの二人のスティーブを描く漫画「スティーブス」と、アシュトン・カッチャー主演版の映画を観ているので、登場人物のことがだいたいわかりますが、ジョブズのことをあまり知らない人には不親切かも。
でもアメリカなら誰でも知っているレベルの人物だったりするのならこういう大胆な構成もありか。
ジョブズのことを知った上で観ると大胆な構成の新しいスタイルの伝記映画として楽しめると思います。