
「変態仮面」以降の役者バカぶりから目がはなせない鈴木亮平と「ヒロイン失格」で鮮烈なイケメンぶりに注目を集めた坂口健太郎共演ということで、少女漫画映画ですが、初日から観賞です。
高校1年に見えないゴツさの剛田猛男は幼馴染みのクールなイケメン砂川と親友だが、何から何まで真逆な二人。
いつも好きになる女子は砂川のことが好きでフラれてばかりだった。
そんな女子に砂川は厳しかった。
彼女たちが猛男のことを陰で悪く言っていたから。
そんな猛男がナンパに困る女子、大和を助ける。
大和は猛男に一目惚れし、何度なく猛男に会いに来ては砂川と三人で手作りのお菓子を食べるようになる。
大和のことを好きになるがいつものクセで彼女が砂川を好きなんだと思い込み…
劇場には意外にも男子学生のグループか来たりしていて、少女漫画の映画にしては劇場にいても恥ずかしい感じがしませんでした。
この映画は王道の少女漫画のストーリーとは全然違って、女たちの恋愛バトルがありません。
ヤンキー漫画で言えばケンカの場面がないようなものです。
ただ猛男と砂川の仲良しシーンから〇〇シーンまであるのでBL好きには意外にささるかも。
河合勇人監督は「鈴木先生」のドラマ、映画を手掛けた人で漫画原作の映像化が上手な人です。
この映画もほぼ原作どおりで砂川のお姉ちゃんが出なかったり、合コンの場所がカラオケから遊園地に変わったりしているくらい。
猛男役の鈴木亮平は「変態仮面」のマッチョ体型をさらにパンプアップして顔まで変わるほどの肉体改造で役作りしているし、砂川の坂口健太郎も原作に似ていないけどキャラにはかなりマッチしているし、大和役の永野芽郁は芸歴がわりと長いのになぜ今まで注目されていなかったのか不思議なくらい可愛くて魅力的です。
そして、猛男と砂川の友情エピソードには何度も泣かされました。
少女漫画原作映画はキスシーンとかに女子学生たちがワーキャー盛り上がるのが定番ですが、この映画はそのかわりにすすり泣きが聞こえてきます。
明らかにラブコメなのに笑いより、すすり泣きの音の方が目立つ劇場でした。
「ヒロイン失格」の後だけに、同じノリを期待した女子にはなんか物足りないのではと思えたりもします。
何よりこの映画には恋のライバルは登場しないし、ヒーローとヒロインはずっと両想いだからクライマックスへの盛り上げがつくりにくいのです。
一番の盛り上がりは中盤の合コンでのトラブル場面で、後半がわりと盛り上がりに欠けてしまいます。
ただエンドロールの後にひと笑い用意されているので見終わったあとは笑った感はあります。
でも最後のシーンが笑えるからもうちょっとテンポアップして映画オリジナルのラストにしても良かったかも。
男子には不細工とイケメンの友情を描いた青春映画として楽しめる映画でした。