吉本実憂のドヤ顔がたまらないし、内野聖陽の熱いダメ人間ぶりも楽しすぎる「罪の余白」 | キネマ画報

キネマ画報

名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


キムタクドラマの「アイムホーム」や「表参道高校合唱部!」などで気になった吉本実憂が予告で目立っていたので観に来ました。

彼女は2012年の国民的美少女グランプリでオスカーのアイドルグループX21のリーダーでもあります。

でもアイドルというより圧倒的に女優顔。

そのせいかX21は次のシングルが売れなかったら解散するとか。

彼女のためにはその方が女優として成功しそう。

大学で心理学を教える安藤に娘加奈が高校の4階ベランダから転落したという連絡が。

娘はそのまま帰らぬ人に。

加奈は同じクラスの咲と真帆と友達グループでテストの点が悪かった罰ゲームで、ベランダに立たされて転落していた。

娘の死のショックで酒に溺れるようになっていた安藤の自宅に咲が同じクラスの笹川の名を騙り訪れる。

安藤は咲と一緒に娘のパソコンを開き、日記を発見する。

日記には咲と真帆との複雑な関係が綴られていた。

文化祭の日、安藤は学校に笹川を尋ねてくるが、笹崎が別人であり、家に来たのが咲だったことを知る。

咲はコンビニで安藤に声をかけ、安藤を罵り殴られる。回りにいた人たち止められ、安藤は逮捕されるが、咲は告訴せず。

安藤はこの一件から異常者扱いをされ始めさらに荒れるが、酒を断ち、娘の携帯から咲を自宅に呼びつけ…

安藤は心理学者のくせに簡単にJKに操られなぐったりしてしまうし、かなりのぽんこつです。

この映画が難しいのは友達に死に追いやられた娘の父が、その友達に対してどう対処することが適切なのか答えがなさそうなことです。

JKを追い込んで死なせてもすっきりしないし、後味悪いし、どうしたもんかと。

この映画のラストも受け取り方は人それぞれ違うと思います。

だから俳優ショーを素直に楽しむのがこの映画の正しい見方かも。

吉本実憂は「表参道高校合唱部!」での役と同じようなクラスの女王様でした。

ドラマでは改心していた彼女ですが、この作品では最後まで女王ぶりを崩しません。

それは彼女の演技がもっとも引き立つ役柄だからです。

彼女のキツメの顔は女王様的人格が一番ハマり見た目で演技を盛ることが出来ています。

逆に笹川を演じる葵わかなは儚げで、耐える少女がハマり支えたくなる可愛さが出ます。

安藤の内野聖陽は派手な演技で何をしでかすかわからない空気を出しています。

こういう人物でないと心理学者がJKに復讐するなんて考えられません。

主要キャストの濃さこそがこの映画の肝になっています。

実際に劇中に起こることは地味なのに、音楽はハリウッド大作並みにうるさくてなんだこれはと思いますか、内野聖陽が出てくれば何か劇的な雰囲気が醸し出され、違和感がなくなります。

テレビドラマでも成立しそうな話を映画として成立させているのは内野聖陽の笑えるくらい大袈裟な姿のおかげです。

逆に国民的美少女なのにヒールがハマりすぎる吉本実憂はこれからどういう女優になっていくのか気になります。