赤影リスペクトなファミリー向け忍者映画だけど、ちゃんと切り株や血の雨が降る「虎影」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。



「昼顔」でブレイクした斉藤工が主演の忍者映画です。

日本を代表する残酷エフェクト工房西村映造の代表でもある西村喜廣が監督。

個人的には去年伊賀市でこの作品が撮影されているという噂を聞き、伊賀市の忍者映画祭でプレミア上映されたときから観たかった作品です。

かつて最強の忍者と呼ばれた虎影は6年前に忍者を引退し、妻の月影、息子の狐影と平穏な日々を暮らしていた。

しかし、黄金の巻物を手に入れた忍者の首領が狐影を人質にとり、虎影に黄金の巻物と対になる銀の巻物を領主のところから奪いに行くように命じる。

虎影は月影と領主のところに忍び込むが、領主の館にいたダム建設の人柱を助けたことから、雇われ忍者軍団に囚われてしまう。

虎影は月影を人質に置いて、首領から金の巻物を奪わなくてはいけなくなるが…

首領の元へ向かう虎影は偶然、助けた人柱の家族に会い、彼らが作った武器を貰い狐影の救出に成功。

二人で月影救出に向かうが…

ものすごく低予算そうだけど、やりたいことを最大限にやろうと、子供にも見せられる作品にしようという西村監督の心意気がヒシヒシ伝わる作品です。

だから今や売れっ子女優になりつつある清野菜名(「TOKYO TRIBE」の相方坂口茉琴も出演!)や板尾創路などのキャストがチョイ役でも出演しています。

主要キャストでは西村作品のミューズしいなえいひが忍者の首領を長く美しい黒髪だけで時代劇しているし、津田寛治は安定の変態演技で女性をペロペロしています。

虎影役の斉藤工に至ってはこの作品の配給のことまで心配するほど入れ込んでいてその想いを映画秘宝にも書いています。

奇想天外な忍術や武器の発想は西村映造ならではの造形で具体化しているし、面白いです。きっと予算があれば「マッドマックス怒りのデス・ロード」のイモータン・ジョーの軍団みたいなことになっていたはず。心意気はマッドマックスに負けていません。

監督の弟子でもある水井真希がクリーンな役もできる女優としての幅を見せていました。

影絵で細かく説明を入れて子供にも理解できるように工夫している反面、終盤には豪快に首が飛ぶ切り株描写からの血の雨からの血の池な展開で西村映造らしさも入れてくるサービス。

さらにラストは完全に赤影しているところになんかすごく胸が熱くなりました。

つづくとはったりをかまして終わっていますが、予算がアップした続編をぜひ観たいもんです。