
福祉施設の児童虐待という韓国の社会問題化した映画「トガニ」のファン・ドンヒョク監督の新作は韓国で「アナと雪の女王」から首位を奪った大ヒットコメディ映画でした。
マルスンは苦労して女手一つで息子ヒョンチョルを大学教授にしたことが自慢のおばあちゃん。
しかし、ヒョンチョルの妻には厳しく孫には甘く、ヒョンチョルの妻は病んで入院してしまう。
マルスンを老人施設に入れた方がいいんじゃないかという息子と孫の話を聞いた彼女は落ち込みながら町を徘徊していると、青春写真館という写真屋さんが目に留まり入ってみる。
記念に写真を撮ってもらうと写真屋のオヤジが30歳若返らせるという言葉通り、写真館を出た彼女の姿は20歳のときの自分に若返っていた。
若き美貌を手に入れたマルスンは青春時代の憧れのオードリー・ヘップバーン風のおしゃれをし、自分が働いていたシルバーカフェのカラオケでナツメロを熱唱。
その姿がテレビ局の音楽番組プロデューサーの目に留まり、彼女は孫のバンドのヴォーカルとして、かつての夢だった歌手となるが…
前半30分はまるで「意地悪ばあさん」でババアのマルスンの嫁イビリとか凄いです。
そして、若返ると「プリティ・ウーマン」さながらにおしゃれして、でも中身はおばあちゃんで、振る舞いのバハアっぷりとのギャップで笑えます。
そして、歌。
ナツメロだったり、孫のメタルバンドをバックに歌うポップスだったり、ヒロイン演じるシム・ウンギョンの代表作「サニー」同様に韓国の古き良き歌謡曲が胸に染みます。
なんだかんだでひたすら楽しい。
お婆ちゃんが若返って孫とバンドをやる展開を観ていて「晴天の霹靂」の息子がタイムスリップして若き父とマジシャンコンビを組む展開を思い出しましたがちょうど読んでいた「思い出のマーニー」がこの「怪しい彼女」とめちゃめちゃネタ被りでびっくり!
同じような展開の映画が同じ年に公開になるのってただの偶然ではない気がします。
今のところ「晴天の霹靂」も「怪しい彼女」も傑作だったけど、マーニーはどうなんだろう?