
きのう観た「トランセンデンス」と対極をなすような物語です。
コンピューターの中の人を愛せるかという命題は共通しています。
キャサリンに離婚を迫られながら踏ん切りがつかない手紙の代筆屋のセオドアはなんの気なしに買った人工知能型OSにハマる。
そのOSはサマンサと名乗り、女性の声で完璧な会話をこなすばかりかいろいろと先回りして仕事もさりげなくやる有能さ。
しまいには彼女のお膳立てで出会い系な女性とデートまでするが、リアルな女性との交際には嫌気ばかりがしてうまくいかない。
サマンサと次第に恋人気分になった彼は肉体をもたないサマンサとのHにも挑戦し…
いい歳してひ弱なセオドアはまるで大人になったのび太くんで、ぐう有能なサマンサとは最初ドラえもん的な関係だけど、だんだん恋愛にシフトしていきます。
そうなると人とOSはどう愛し合うのか?という問題にぶち当たります。
このサマンサはいろんな方法を考えてセオドアと愛し合おうと試みます。
「トランセンデンス」ならナノロボットで人型の実体を作るところですが、スパイク・ジョーンズはそんな無粋ではありません。ロボットの恋愛映画を作る男ではあるけど。
この映画はとてもパーソナルな関係を見せることで人とOSの恋の顛末をバカバカしくなく、愛した人がたまたまOSだったと言わんばかりに体温すら感じる描写で見せきります。
OSとの恋愛をリアルしシミュレートし、セオドアの気持ちのスピードで見せていくのでこちらも疑似恋愛している感じになれます。
ただ最高のデートムービー風ですがいきなり妊婦ヌードとか出てくるので、付き合いの浅いカップルには不向きかも。